24年ぶりに日本に帰ってきた男が、こりゃタマゲタ!ヘンだ!と叫んだとたんキゼツする話

その2


2016年 9月 代表 天田透





<です。ます。>が絶滅の危機に瀕している。

そんなばかなって!?いえいえ、本当です。

例えばテレビの報道番組。
今なぜそういう事態なのかという質問に対して、その道のエキスパートが「◯◯が△△だからかなあと思います。」と答える。
さらに今後の見通しについて聞かれれば「△△が□□なら**なのかなあと思います。」という。
なんだそれは!「かなあ」なら誰だって言えるじゃないか。(他に「だろうなあと思います。」もある。)


このすっとぼけた「(か)なあと思います」が、本来の「です/ます」を駆逐する『ですますキラー』の正体だ。
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注)「(か)なあと思います」の「ます」については、我々はこれを成り行きでそこにくっついているだけのものと見なし、他の(ピンチの)「です/ます」とは区別している。
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「(か)なあと思います」は数年前に発生、増殖し続け、既に飽和状態、これ以上増えようが無いところまできている。
なんたってもう、不祥事の調査報告や謝罪でさえ「××がいけなかったのかなあと思います。」ですから!


気楽なやりとりで、疑問/否定の「かなあ」はもちろん問題ない。
しかし政治家や、いわゆる有識者、専門家等が公の場で主張、説明するときに「かなあと思います」ではオハナシにならない。謙遜のつもりならセンスを疑う。

違和感の原因は二つ。
1) 多くの場合、彼らは意見を求められているのであって、不確かな事を述べているわけではないのに「(か)なあ」をのべつまくなし使う。
2) そもそも、改まった場面で「(か)なあ」は不謹慎。(じゃないの!?)

責任逃れついでに気取っているようにも見えるが、おそらくそういう自覚さえなく、無意識にお互い真似し合っているのだろう。
分別のある大人がなぜ平気で誤用を繰り返すのか、まったくの謎だ。つまり、これも宇宙人の仕業に違いない!?



他人に気遣う必要のない話での無意味な婉曲(だよね?)も多い。

「これからもがんばります。」でよいところ
「これからもがんばりたいです。」で、すでにひっかかるが、
「これからもがんばりたいと思います。」までならまあなんとか、ぎりぎり、セーフ。

でもいまの主流は、
「これからもがんばりたいなあと思います。」
「これからもがんばっていけたらなあと思います。」
ってそれじゃあアナタ!がんばれませんよ。

清々しく「がんばります。」と言ってくれたら、こちらもヨシ!と応援に力が入るのだが、そういう人はスポーツ選手でも稀になってしまった。


ついでに言うと、上の例から「なあ」を引いた(というよりこちらがモトだが)「◯◯たらと思います。」「◯◯ればと思います。」もカンベンしてほしい。
逆の立場、頼む側の「◯◯していただけたら(/れば)(なあ)と思います。」はもっとマズい。
いただけたら何なのか、ありがたいのか、うれしいのか、幸甚なのか、安心なのか、問題アリマセンなのか、よろしいかと思うなのか、それが誰かのためだというのか、肝心(結末)のところが「・・・」とはどういうことだ。
「ソレ」のために◯◯してくれと頼みながら、「ソレ」が何かを明らかにしないんじゃあツジツマが合わない。
相手や他人に気遣って敢えて、ってこともたまーにはあるかもしれない。配慮なら結構。
でもほとんどの場合はただの怠慢か、過剰な装飾が原因だ。
だいたい、そこまでの意味を持たないふつうの呼びかけなら、「(どうぞ)(ご)◯◯ください」でいいのだし、状況によって「◯◯をお待ちしています」「◯◯のほど、お願いいたします」他、いろいろある。不自由はない。

「ぜひ◯◯していただけたら(/れば)(なあ)と思います」式のギョウギョウしいだけで重要度もわからないヘンチクリンな言い回しは、『ぜひ』の誤用も含め、ぜひ!ヤメましょう。


「かなあと思います」に話を戻すと、じつは一つだけよかった(とは言い難いけど)ことがある。
<その1>でとり上げた「そんな思いです/思いがあります。」が、その分減ったのだ。
「かなあ、という思いがあります。」はさすがにいくらなんでもハズカシ過ぎると気付いたのか、ただ言いにくいからなのかは不明だが、いまのところこのパターンはほとんど観測されていない。

と書いたその瞬間!評論家か何かがテレビで政治問題について「〜にはそういう思いがあるのかなあと思います。」じゃと!ギャアオ!!しばしキゼツ。
しまった!その手があったか!!ゲー。


以上、絶滅寸前の『です/ます』、その原因の『(か)なあ』『たら/れば』、そして絶滅ほぼ確定!?の『「たら/れば」直後「・・・」』についてでした。


だいじょぶかニッポン!

つづく

     天田


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